2003(平成15)年度 学術講演会 7月27日(日)@タカラベルモント
福岡歯科大学教授 石川博之先生(本学10期生)をお招きして学術講演会を開催しました。
演題 「矯正診断、インフォームドコンセント、そしてEBM」
本講演会において石川先生は、矯正治療における診断、インフォームド コンセント、EBMのあり方の3者について、詳細に御講演していただき ました。その中で、石川先生は、より良い矯正歯科医療を行うには 上記3者には密接な関連があることをよく認識することの重要性を 説かれておりました。矯正診断を行う方法として、POS(Problem oriented system ; 問題志向型診療システム)につき、解説いただき 問診、診査、症例分析から、患者さんのかかえる問題点を、リストアップ (Problem list)し、その各々の問題点についての、治療法を検討して いく必要があると解説されました。具体例として下顎の過成長を伴う 前歯部の叢生を有する患者さんの治療計画を提示され、外科矯正を 行う場合と、矯正治療のみの場合での、治療結果の違いを解説して いただきました。すなわち、個々の患者さんの心理的・社会的条件、妥協点といったことを加味して最終的な 治療ゴールと、治療方法が決定されるのだということを理解することができました。
※講演会で会員から質問のあった舌癖トレーニングの本についてご紹介いたします。
参考文献: 「口腔機能療法(MFT)の臨床」、山口秀晴、大野粛英、他。わかば出版、38,000円